生物用語解説

「A-Z」ではじまる用語

[えーさいぼう]A-cell

ランゲルハンス島

[えーびーしーもでる]ABC model

花の形成を発生遺伝学的に説明するモデル。花の器官の決定は,Aクラス遺伝子,Bクラス遺伝子,Cクラス遺伝子の3つのクラスの遺伝子によって制御されている。

[えーでぃーぴー]adenosine diphosphate

アデノシン二リン酸。アデノシンにリン酸が2つ結合した構造をもつ。

[えーてぃーぴー]adenosine triphosphate

アデノシン三リン酸。アデノシンにリン酸が3つ結合した構造をもつ。ATPがADPとリン酸に分解するときに,大きなエネルギーを放出する。生体は,このエネルギーを生命活動に利用している。ATPは生体内でのエネルギーのやりとりに働く。

[えーてぃーぴーごうせいこうそ]ATP synthase

ADPとリン酸からATPを合成する酵素

[えーてぃーぴーぶんかいこうそ]ATPase

ATPADPとリン酸に加水分解する反応を促進する酵素

[びーさいぼう]B-cell

ランゲルハンス島

[びーさいぼう]B cell

骨髄(Bone marrow)の造血幹細胞に由来し,骨髄で分化する細胞体液性免疫に関係する。形質細胞(抗体産生細胞)に分化して抗体をつくる。T細胞ナチュラルキラー細胞とともにリンパ球を構成する。

[でぃーえぬえー]deoxyribonucleic acid

デオキシリボ核酸。リン酸,糖(デオキシリボース),塩基が結合したヌクレオチドとよばれる基本単位が,多数連なった構造をもつ核酸。塩基には,アデニン(A),グアニン(G),シトシン(C),チミン(T)の4種類がある。DNAは,ふつう2本のヌクレオチド鎖が,塩基どうしの水素結合により結合し,らせん状に巻いた構造(二重らせん構造)をしている。

[でぃーえぬえーぽりめらーぜ]DNA polymerase

DNA合成酵素。1本のDNAのヌクレオチド鎖を鋳型にして,相補的なヌクレオチド鎖を合成する。DNAの複製,修復に関与する。

[でぃーえぬえーりがーぜ]DNA ligase

DNA鎖どうしをつなぐ酵素DNAの複製・修復・組換えに関与する。

[でぃーえぬえーわーるど]DNA world

RNAワールド

[いーえすさいぼう]embryonic stem cell

胚性幹細胞。哺乳類の初期胚(胚盤胞)の内部細胞塊をとり出してつくられた多能性幹細胞である。

[あいぴーえすさいぼう]induced pluripotent stem cell

人工多能性幹細胞。体細胞へ特定の遺伝子の導入などを行ってつくられた多能性幹細胞である。

[えむあーるえぬえー]messenger RNA

DNAの遺伝情報はRNA転写され,アミノ酸配列に翻訳される。アミノ酸配列に翻訳されるRNAをmRNA(伝令RNA)という。一般に原核生物では,転写されたRNAがそのままmRNAになるが,真核生物では,転写されたmRNA前駆体がスプライシングなどの処理を受けてmRNAになる。

[えぬけーさいぼう]NK cell

ナチュラルキラー細胞

[ぴーしーあーる]PCR, polymerase chain reaction

ポリメラーゼ連鎖反応。1組のプライマーを利用し,特定のDNA領域を増幅させる反応。

[あーるえぬえー]ribonucleic acid

リボ核酸。リン酸,リボース(糖),塩基が結合したヌクレオチドとよばれる基本単位が,多数連なった核酸。通常は1本鎖。塩基は,アデニン(A),グアニン(G),シトシン(C),ウラシル(U)の4種類。mRNA伝令RNA),tRNA転移RNA),rRNA(リボソームRNA)などの種類がある。転移RNAは運搬RNAともいう。

[あーるえぬえーぽりめらーぜ]RNA polymerase

RNA合成酵素。DNAを鋳型にして,RNAを合成するための酵素細胞内で,DNAからRNAへ遺伝情報を写す働き(転写)をする。

[あーるえぬえーわーるど]RNA world

原始地球上で,生命の遺伝情報も触媒機能も,RNAだけによって担われていたとされる世界のこと。RNAワールドの後にタンパク質合成系が生じ,さらにその後DNA遺伝子とする世界(DNAワールド)が広まったと考えられている。

[すにっぷ]single nucleotide polymorphism

一塩基多型

[てぃーさいぼう]T cell

骨髄の造血幹細胞に由来し,胸腺(Thymus)で分化する細胞体液性免疫細胞性免疫の両方に関係する。表面にT細胞受容体があり,抗原を認識する。リンパ球の半分以上を占める。ヘルパーT細胞(B細胞抗体産生,マクロファージなどの食作用を助ける細胞)とキラーT細胞(感染細胞を破壊する細胞)とがある。

[てぃーあーるえぬえー]transfer RNA

タンパク質合成の過程で,mRNAコドンに対応するアミノ酸を合成の場であるリボソームに運ぶ。mRNA上のコドンと相補的に結合する部分をアンチコドンという。転移RNA,運搬RNAともいう。

[えっくすせんしょくたい]X-chromosome

雌がホモ接合体である性決定様式(ヒト,ショウジョウバエなど)で,雌が2つもつ性染色体。雌がXX,雄がXYになるXY型と,雌がXX,雄がXになるXO型がある。

[わいせんしょくたい]Y-chromosome

雄がヘテロ接合体である性決定様式(ヒト,ショウジョウバエなど)で,雄にあって雌にない性染色体。この性決定様式では,雄がX染色体とY染色体をもつ。