生物用語解説

「た」ではじまる用語

[たいえきせいめんえき]humoral immunity

抗原抗体反応による免疫。体液性免疫にはリンパ球のヘルパーT細胞B細胞などが関与している。

[たいこう]body cavity

体壁と内臓とのすき間。無胚葉性の動物と,二胚葉性の動物には体腔はない。

[たいさいぼうぶんれつ]somatic division

成長などの過程で,細胞(おもに体細胞)が増殖するときに見られる細胞分裂。分裂の前後でDNA量や染色体数は変化しない。減数分裂では,DNA量や染色体数が半減する。

[たいしゃ]metabolism

生体内で起こる物質の化学反応。同化異化に分けられる。代謝に伴うエネルギーの出入りや変換をエネルギー代謝という。

[だいしんか]macroevolution

新しいやさらに上位の新しい分類群が生じるような大きな進化。一方,集団内で起こる,新しい種が生じるには至らない程度の小さな進化を小進化という。

[たいせつ]somite

脊椎動物の発生時に見られる中胚葉性の構造。脊索と腎節の間に位置する。真皮や骨格筋,脊椎骨・ろっ骨などが分化する部位。

[たいせつ]segment

動物のからだの前後軸に沿って現れる繰り返し構造。

[たいないかんきょう]internal environment

動物の細胞を浸す体液。脊椎動物の場合,血液リンパ液・組織液をさす。内部環境ともいう。体外環境(外部環境)の対語。

[だいのう]cerebrum

脊椎動物のの前方部分において,最も大きい領域を占める部分。哺乳類などでは発達して大きくなる。

[だいのうずいしつ]cerebral medulla

大脳の内部にある白質の部分。神経繊維ニューロン軸索)が集中している。大脳の表層は大脳皮質という。

[だいのうひしつ]cerebral cortex

大脳の表層にある灰白質の部分。ニューロンの細胞体が集中している。新皮質辺縁皮質に分けられる。大脳の内部は大脳髄質という。

[たいりついでんし]allele

対立形質に対応する遺伝子相同染色体上の同じ位置(遺伝子座)にある。

[たいりつけいしつ]allelic character

同時にはあり得ない対立する形質。たとえば,種子の形が「丸い」「しわ」のような形質。対立遺伝子によって支配される。

[たさいぼうせいぶつ]multicellular organism

多数の細胞からできている生物。単細胞生物の対語。

[だっちつ]denitrification

硝酸イオンや亜硝酸イオンから,窒素分子がつくられる働き。脱窒素細菌が行う。

[だつなれ]dishabituation

慣れ

[たんさいぼうせいぶつ]unicellular organism

1個の細胞からできている生物。真核生物では,細胞内の構造(細胞小器官)が発達している。多細胞生物の対語。

[たんさんどうか]carbon dioxide assimilation

二酸化炭素をとり入れてデンプンなどの有機物につくりかえる働き。炭酸同化には,光エネルギーを利用する光合成と,無機物を酸化して生じた化学エネルギーを利用する化学合成とがある。

[たんじつしょくぶつ]short-day plant

暗期が一定の長さ(限界暗期)より長くなると花芽が形成される植物。春まき,秋咲きの植物に多い。長日植物の対語。

[たんじつしょり]short-day treatment

暗期を限界暗期よりも長くすること。短日植物に花芽形成を促す。

[たんしゅうしゅく]twitch

単一刺激を与えたときの筋肉の収縮。1秒間に数回程度の刺激では,単収縮を起こす。

[たんそう]haploid phase

染色体を1セットもつ場合の核相。と表す。減数分裂が終わってから受精までの状態。複相の対語。

[たんぱくしつ]protein

酵素や筋原繊維,抗体などの主成分であり,生体にとって重要な物質である。多数のアミノ酸ペプチド結合でつながったポリペプチドが折りたたまれて複雑な立体構造をつくっている。結合するアミノ酸の種類や数,配列によってタンパク質の種類が決まる。