生物用語解説

「ひ」ではじまる用語

[びがはい]tail bud

脊椎動物の発生で,神経管が完成してから幼生になる前までの期間の

[ひかりじゅようたい]photoreceptor

光を受容するタンパク質で,光を受容すると成長や生理反応を引き起こす。植物の光受容体には,フィトクロム,フォトトロピン,クリプトクロムなどがある。

[ひかりちゅうだん]light break

暗期に短時間の光を照射すること。これにより暗期の効果が失われることがある。花芽形成に影響を与えるのは連続した暗期の長さである。

[ひかりはつがしゅし]photoblastic seed

発芽に光の照射を必要とする種子。レタスの種子ではじめて,赤色光と遠赤色光によって,可逆的に発芽を調節できることが発見された。フィトクロムという色素タンパク質が,その光受容体とされている。暗発芽種子の対語。

[ひかりほうわてん]light saturation point

ある光の強さに達すると,それ以上光を強くしても,光合成速度は増加しなくなる(光飽和)。このような状態になりはじめるときの光の強さ。

[ひかりほしょうてん]light compensation point

光合成による二酸化炭素吸収量と,呼吸による二酸化炭素排出量とがつり合い,見かけ上,二酸化炭素の出入りがなくなる光の強さ。光補償点以下の光では,植物は生育できない。

[ひきょうそうてきそがい]noncompetitive inhibition

酵素活性部位以外に結合する阻害物質によって,酵素反応が阻害されること。阻害物質が酵素に結合すると,酵素の活性部位が変化し,基質と結合できなくなるため,酵素と基質が反応する速度が小さくなる。なお,基質の濃度が高くなっても,阻害作用は小さくならない。

[ひしょくしゃ]prey

他の生物に捕食される生物。捕食者の対語。

[ひしょくりょう]

生態系の物質収支において,ある生物が上位の生物に捕食される生物体の量。

[ひすとん]histone

真核細胞において,DNAが巻きついているタンパク質。DNAとヒストンが,染色体の基本構造であるヌクレオソームをつくる。

[ひょうげんがた]phenotype

ある遺伝子によって,実際に現れた形質。ふつうは,遺伝子型によって決まる。

[ひょうてききかん]target organ

一般には,ある作用原に対して,その作用を顕著に受ける器官をいう。たとえば,特定のホルモンは特定の器官(標的器官)にのみ作用する。

[ひょうてきさいぼう]target cell

特定の作用原を受容する装置をもった細胞ホルモン標的器官があるのは,その器官にそのホルモンの受容体をもった標的細胞が存在するからである。