生物用語解説

「と」ではじまる用語

[どうか]anabolism, assimilation

光合成など,化学的に単純な物質から複雑な物質をつくり出す反応。エネルギーを吸収する。異化の対語。

[とうかつ]equal cleavage

ほぼ同じ大きさの割球ができる卵割不等割の対語。

[どうかりょう]

生産者総生産量。また,消費者の摂食量から不消化排出量を差し引いた量。

[どうかん]vessel

道管細胞が縦につながった構造。死細胞でできており,連結部である上下の細胞壁には穴があき,内部は失われて管状になっている。根から吸収した水や無機養分の通路になっている。被子植物はふつう道管をもつが,裸子植物やシダ植物は仮道管をもつものが多い。

[とうしつこるちこいど]glucocorticoid

副腎皮質ホルモンで,糖代謝を調節するステロイドホルモンの総称。タンパク質からの糖合成(糖新生)を促進,組織の炎症を抑制する働きがある。脳下垂体前葉から分泌される副腎皮質刺激ホルモンにより分泌が促進される。

[どうぶつきょく]animal pole

卵において,極体が生じる極。また,発生初期のにおいて,それに相当する極。植物極の対語。

[どくりつえいようせいぶつ]autotroph

外界からとり入れた無機物から有機物を合成するしくみをもっている生物。そのしくみには,光合成(光のエネルギーを利用)と化学合成(無機物を酸化したときに得られるエネルギーを利用)がある。光合成を行う生物には,緑色植物や光合成細菌,化学合成を行う生物には,硝酸菌や硫黄細菌などがある。

[どくりつのほうそく]law of independence

異なる対立遺伝子は,他の対立遺伝子とは無関係に,それぞれ独立に配偶子に分配されるという法則。別々の染色体上に存在する遺伝子を考えるときにのみに成立し,同一染色体上に存在する遺伝子(連鎖)を考える場合には成立しない。メンデルが発見した遺伝の法則の1つ。

[どじょう]soil

風化した岩石や堆積した火山灰などの無機物に,生物が分解されてできた有機物が加わり,気候や生物などの影響を受けてつくられている地表の部分。

[とつぜんへんい]mutation

DNAの塩基配列や染色体に生じる永続的な変化。DNAの塩基配列の変化には,置換,欠失,挿入などがある。染色体の変化には,重複,逆位などの構造の変化や,数の変化がある。

[とりぷれっと]triplet

遺伝暗号の単位となる3個の塩基の組み合わせ。DNAmRNAを構成する塩基は,それぞれ4種類あるので,塩基3個では4×4×4=64種類の組み合わせができる。タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あるので,1つのアミノ酸に複数のトリプレットが対応する場合もある。mRNAのトリプレットを特にコドンという。