生物用語解説

「そ」ではじまる用語

[そうかん]physiognomy

ある地域の植生の様相や外観的特徴。相観によって,植生は森林・草原・荒原などに大別される。極相の相観は,おもに年平均気温と年降水量によって決まる。

[そうじきかん]analogous organ

形態や機能が似ていても,由来が異なる器官をいう。鳥類の翼と昆虫類のはねなど。

[そうじつはい]morula

動物の発生初期において,胞胚になる前の段階の。外観が桑の実のような形をしているため,この名がついた。

[そうせいさんりょう]gross production

ある一定期間に一定面積内の生産者光合成により生産した有機物の総量。

[そうどうきかん]homologous organ

形態や機能が違っていても,共通の祖先由来である器官。哺乳類の前肢と鳥類の翼など。

[そうどうせんしょくたい]homologous chromosome

大きさや形が同じで,減数分裂時に対合する染色体。2個の相同染色体は,それぞれ両親の配偶子に由来する。対立遺伝子が同じ順序で配列している。

[そうへんい]phase variation

個体群密度により,形態・行動・生理的性質などが著しく変化すること。たとえば,バッタでは,低密度では孤独相であるが,大発生して密度が高まると,飛翔や移動に都合がよい群生相になるものがある。

[そうほせい]complementarity

核酸の塩基間に見られる特異的な結合。DNAでは,アデニンとチミン,グアニンとシトシンが特異的に結合する。RNAでは,チミンの代わりにウラシルが使われる。

[そしき]tissue

多細胞生物で,同一の機能や形態をもつ細胞の集まり。植物では,分裂組織と永久組織に分けられる。動物では,上皮組織,結合組織,筋組織神経組織に分けられる。

[そしきばいよう]tissue culture

生物の組織片をとり出し,適当な条件下で生存させること。分化した植物細胞をとり出して適当な培地で培養すると,細胞分裂してカルス(未分化な細胞の集まり)をつくる。カルスを特定の植物ホルモンを含む培地で培養すると,根・茎・葉が形成され(再分化),完全な植物体になる。このようにして,有用な植物体を大量に得ることができる。