生物用語解説

「す」ではじまる用語

[ずいしつ]medulla

器官において,表層部分と内側の部分とで,その構造や機能が異なるとき,表層部分を皮質,内側の部分を髄質という。脊髄腎臓などに用いられる。

[ずいしょう]myelin sheath

有髄神経繊維において,軸索をとり囲む構造。ミエリン鞘ともいう。末梢神経系ではシュワン細胞が軸索に巻きついてできている。髄鞘と髄鞘の間にはすき間があり,この部分をランビエ絞輪という。

[すいぞう]pancreas

脊椎動物の消化管に付属する器官で,消化液であるすい液や,血糖濃度の調節に関わるホルモンであるインスリングルカゴンを分泌する。

[すいたいさいぼう]cone cell

脊椎動物の網膜にある視細胞の1つ。明るいところで働き,色を識別する。黄斑(網膜の中央部分)に集中的に分布している。「錐体」とはその形状に由来している。もう1つの視細胞は桿体細胞

[すいちょくぶんぷ]vertical distribution

標高や水深といった垂直方向の環境の違いにもとづく生物の分布。水平方向の分布は水平分布という。

[すいへいぶんぷ]horizontal distribution

地図上の位置(水平方向)の環境の違いにもとづく生物の分布。垂直方向の分布は垂直分布という。

[すとろま]stroma

葉緑体内部の何もないように見える部分。光合成反応の一部(カルビン回路)が行われる場である。葉緑体の内部には,チラコイド(thylakoid:袋)とよばれる袋状の膜構造がある。

[すぷらいしんぐ]splicing

真核生物において,DNAから転写されたmRNA前駆体から,イントロンとよばれる部分がとり除かれ,エキソンがつなぎ合わされてmRNAになる過程。

[すべりせつ]sliding (filament) theory

アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑りこむことにより,筋肉が収縮するという考え。横紋筋の筋収縮のしくみを説明する。

[すみわけ]habitat segregation

類似した生活様式をもつ異種の個体群が,生息場所を分け合って共存すること。たとえば,イワナとヤマメは,水温13~15℃を境界にして,上流(低温)にはイワナ,下流(高温)にはヤマメとすみわける。

[すりこみ]imprinting

生後すぐの時期に起こる学習を刷込み(インプリンティング)という。たとえば,ガン・カモ類のひなは,ふ化後20時間以内に見た動くものを「親」とし,あとを追う。