生物用語解説

「い」ではじまる用語

[いおうさいきん]sulfur bacteria

硫化水素などを酸化させてエネルギーをとり出し,そのエネルギーを使って炭酸同化を行う化学合成細菌

[いか]catabolism, dissimilation

呼吸など,生体内で化学的に複雑な物質を単純な物質に分解する働き。エネルギーを放出する。同化の対語。

[いかんそく]vascular bundle

葉・茎・根の各器官をつらぬいている管状の構造。根から吸収した水や無機養分を通過させる木部と,光合成産物などを通過させる師部とがある。

[いきち]threshold

ニューロンでは,ある一定値以上の強さの刺激で興奮が起きる。この興奮を起こす最小の刺激の強さ。

[いちえんきたけい]single nucleotide polymorphism

同じの生物のゲノムを比較すると見られる,1つの塩基置換による個体差。

[いちじおうとう]primary [immune] response

二次応答

[いちじせんい]primary succession

植物や土壌が存在しない場所に植物が侵入して起こる遷移。岩石地からはじまる乾性遷移と,湖沼などからはじまる湿性遷移とがある。

[いでん]heredity

親の形質が,子やそれ以降の代に伝わること。

[いでんし]gene

形質を決める遺伝因子で,ヨハンセンにより命名された。一般に,顕性形質の遺伝子をアルファベットの大文字,潜性形質の遺伝子をアルファベットの小文字で表す。

[いでんしがた]genotype

AAAaaaなどのような,個体のもつ遺伝子の構成。

[いでんしくみかえ]gene recombination

DNAの特定の部位に,別のDNA断片を人工的に組みこむ操作。真核生物遺伝子(DNA断片)を大腸菌などの原核生物に組みこむための酵素としては,逆転写酵素(RNAを鋳型にしてDNAを合成する酵素),制限酵素(はさみ),DNAリガーゼ(のり)がある。

[いでんしざ]gene locus

それぞれの遺伝子染色体上に占める位置。

[いでんてきふどう]genetic drift

生物の集団で,遺伝子が次世代に受け継がれるとき,偶然によって遺伝子頻度が変化すること。

[いんじゅ]shade tree

一般に光補償点が低く,弱い光でも生育できる樹木。陽樹林の林床で育つことができ,やがて陽樹と置き換わり,極相林の優占種となる。

[いんすりん]insulin

グリコーゲンの合成や,グルコースの消費を促進して,血糖濃度を低下させるホルモンすい臓ランゲルハンス島のB細胞から分泌される。グルカゴンとは逆の作用をする。

[いんせいしょくぶつ]shade plant

陰地で生育できる植物。林床の植物や極相種に多い。

[いんどーるさくさん]indoleacetic acid

植物ホルモンの1つ。天然オーキシンの代表的なもの。植物の成長促進作用がある。

[いんとろん]intron

DNAの塩基配列のうち,転写後のmRNA前駆体から,スプライシングによってとり除かれる部分。

[いんぷりんてぃんぐ]imprinting

刷込み

[いんよう]shade leaf

弱光下で生育した葉。さく状組織の発達が悪く,厚さが薄い。光補償点が低く,気孔の数も少ない。陽葉の対語。