生物用語解説

「ほ」ではじまる用語

[ぼうあつ]turgor pressure

細胞内に水が浸透することによって生じる細胞内の圧力。植物細胞では細胞壁を押し広げる圧力になり,細胞の強度や成長,気孔の開閉などに関わっている。

[ほうし]spore

藻類などの一部の原生生物や菌類,植物がつくる生殖細胞。減数分裂でできるものと体細胞分裂でできるものがある。配偶子は2つが合体することで新個体をつくるのに対して,胞子は単独で新個体となることができる。

[ほうしたい]sporophyte

胞子をつくる生物体で,核相は2。胞子は成長して,配偶体になる。

[ぼうすいし]spindle fiber

真核細胞細胞分裂時に現れる繊維状の構造で,微小管でできている。紡錘糸が集まって紡錘体を形成する。紡錘体は,染色体の動原体に付着し,染色体を両極に移動させる。

[ほうはい]blastula

動物の発生初期において,卵割が進んで割球が小さくなり,の表面がなめらかになるころから,原腸胚になる前までの期間の胚。

[ほうはいこう]blastocoel

卵割によっての内部にできる腔所(卵割腔)の胞胚期以降での名称。

[ほこうそ]coenzyme

酵素が複合タンパク質でできている場合,その構成要素である非タンパク質を補助因子という。補助因子のうち,低分子の有機物で,タンパク質と結合したり離れたりするものを補酵素という。このとき,タンパク質部分をアポ酵素という。

[ほしょうしんど]compensation depth

水深が大きくなるにつれて光は弱くなる。光補償点に達したときの水深をいう。これより深い場所では光合成生物は生育できない。

[ほしょくしゃ]predator

ほかの生物を捕食する生物。被食者の対語。

[ほめおすたしす]homeostasis

恒常性

[ほもせつごうたい]homozygote

ある遺伝子座が,たとえば,AAaaのように,同じ遺伝子構成である個体。ヘテロ接合体の対語。

[ぽりぺぷちど]polypeptide

タンパク質

[ほるもん]hormone

血液中に放出されて全身に運ばれ,特定の器官に受容されることによって,情報を伝達する物質。内分泌腺でつくられ,水溶性ホルモンと脂溶性ホルモンがある。微量で効果があり,特定の器官(標的器官)の細胞標的細胞)のみに受容される。自律神経系とともに,恒常性の維持を行う。細胞間で情報を伝達する物質には,ほかに神経伝達物質がある。

[ほんやく]translation

タンパク質の合成において,mRNAの塩基配列をアミノ酸の配列に置き換え,ポリペプチドを合成する過程。mRNAの塩基3つを1組にした配列(トリプレット)をコドンといい,これが1つのアミノ酸に対応する。