カントウタンポポ

関東から中部地方に分布する多年生草本。トウカイタンポポとエゾタンポポの交雑種だと考えられている。最近,都市部では繁殖力の強い外来のセイヨウタンポポにおされ,あまり見かけなくなっている。葉は食用とされ,根は胃腸薬として利用される。

倒披針形で羽状に裂けた根生葉をロゼット状に展開する。

春になるといち早く花茎をのばし,花茎の先に黄色の舌状花からなる頭花をつける。花は太陽が出ない日は閉じて,太陽が出ると開く。

見分けのポイント

頭花のまわりの総苞片は反り返らず,頭花の側面に張りつくのでセイヨウタンポポと区別できる。また総苞外片が卵状楕円形で内片の半分より短いことからトウカイタンポポと区別できる。

コスモス

メキシコ原産の一年生草本。明治時代にもちこまれ,観賞用として広く栽培される。園芸品種には花の色が白色や黄色のものや八重咲きなどもある。アキザクラの別名のとおり,秋に開花する短日植物だが,早咲き品種は温度上昇によって開花し,6月から開花する。コスモスは「装飾」の意味で,花の美しい色や整った形からついた。

2~3回羽状に細裂し,裂片は線状となる。対生。

頭花は白色や薄紫色,黄色,紅色などで直径6cmぐらい。花の中央の黄色い部分は小さな管状花が多数集まっており,結実する。周辺に8個の大きな舌状花が並ぶが,こちらは結実しない。

オニタビラコ

日本各地の道端などに生育する二年生草本。全体に細かい毛がはえ,高さ20-100cm。葉は羽状に深裂し,5-10月に複散房花序を出して黄色い花を多数つける。そう果には冠毛がつき,風によって散布される。

倒披針形で,基部の方に切れ目が深く入り,羽状になる。葉が紫色を帯びることが多い。

まっすぐのびた茎頂に,直径7~8mmの黄色い舌状花からなる頭花を多数咲かせる。花期は5-10月を中心に,通年。

オオオナモミ

ユーラシア大陸・北アメリカ原産で世界中に広がっている帰化植物。日本には昭和初期に移入した。 茎はよく分枝し毛があり,少し褐色をおびる。刺のある果実をつけ,動物により運ばれる。畑などで害草として問題になっている。

広卵形の葉は3~5に浅く裂け,葉の縁には低いきょ歯がある。

雄花は茎の先につき,雌花は茎の節などに数個ずつつく。雄花序は両性花で構成されているが結実しない。2つの雌花はつぼ状の総苞につつまれている。

オオアレチノギク

ブラジル原産,日本には大正時代に移入した帰化植物で現在では本州以南の各地に広がっている。茎は直立し,表面に開出毛を密生する。茎の上部でまばらに分枝し,枝の先に多数頭花をつける。害草で畑に侵入されると駆除が難しい。

葉は茎に多数つく。倒披針形で,下部の葉にはきょ歯があるが上部になるにつれてきょ歯がなくなる。葉柄も根生葉には長い柄があるが上部の葉にはほとんどない。両面に短毛がある。冬期は地面に葉をロゼット状に開く。

夏から秋に円錐花序を出し,多数の頭花をつける。頭花の舌状花は花弁が小さく,筒状花とともにほとんど総苞内にあって目立たない。

見分けのポイント

よく似たヒメムカシヨモギは舌状花弁が長く総包の外に出ていて見える。