アレチノギク

もとは南米原産で世界に広く帰化した植物。日本には明治中期にもちこまれ広まったが,近年減少している。全体に灰白色の毛が生えている。主軸は夏に花をつけた後成長を止めるが,その後側枝が伸び秋に花を咲かせるか枯れてしまう。側枝は主軸よりも高くなる。

根生葉は羽状に深裂し,まばらで粗いきょ歯がある。茎生葉はきょ歯がほとんどなく,よじれるものもある。両面に軟毛が密生する。

茎の上部で分枝した枝の先に白い頭花を総状につける。頭花には雄花である白色の舌状花がたくさんあるが,小さく目立たない。両性花(管状花)は黄色で頭花の中央にある。主軸の花は夏に咲き,その後秋に側枝の花が咲く。

見分けのポイント

オオアレチノギクに比べて背丈が低く,頭花は大きい。

セイタカアワダチソウ

北アメリカ原産で北半球に広く帰化している多年生草本。日本には明治時代に移入し,戦後に広まった。空き地や河原などに大きな群落を形成しているのをよく見かける。茎は直立し,高さは人の背をこえて2.5mに達する。葉と茎には短毛が密生する。 繁殖力が強く,種子からのみでなく地下茎を伸ばして増える。根から他の植物の生育をさまたげる物質をだすため,この植物が多い場所は他の植物がはえにくくなる。

先がとがった細長い楕円形の葉は密につき,互生する。縁には低いきょ歯がある。葉には短毛が生える。

茎の上部に多数の頭花からなる総状花序をを複数出し,全体として円錐状の花序を形成する。頭花は黄色の管状花と舌状花からなる。

見分けのポイント

よく似たオオアワダチソウは花期が夏で,茎や葉にはほとんど毛がない。

コガマ

池や沼に生育する高さ1~1.5mになる多年生草本。 全体的に同じ属のガマと似ている。異なるところは,少し大きさが小さいこと,葉の幅はガマが1~2cm,コガマは0.5~1cmであること,ガマは花粉が4個ずつくっついているのに対し,コガマでは花粉が1個ずつ離れていること,ガマの雌花穂は長さ10~20cmであるが,コガマの雌花穂は長さ6~10cmであることなどが挙げられる。

幅1cmほどの線形。

夏に円柱状の花穂をつける。上部が雄花穂,下部が雌花穂である。

カタバミ

世界の温帯から暖帯の地方に広く分布し,いたるところにはえる多年生草本。主根が地中にのび,その上端から地上に枝をのばして,はうか斜上して多くの小枝を出す。葉は三出複葉で小葉はハート形。5-9月に散形花序を出し,黄色い花を咲かせる。朝鮮半島では仏具をみがくのに利用している。

ハート形の3小葉からなる3出複葉。長い柄を持ち,互生する。

春から秋にかけて,葉腋から出る花柄の先に黄色の小さな5弁花をつける。

イロハモミジ

山地や丘陵に生育する落葉高木。紅葉が美しいため,公園樹などとして広く植栽されている。樹皮は滑らかで暗褐色。 ふつうモミジともいわれている植物で,秋になるとあざやかに紅葉する。これは葉の根元の部分に離層という細胞層ができて葉と茎との物質交代が妨げられ,葉に残った液胞の糖分やアミノ酸がアントシアニンなどの紅色の色素に変化するためである。 葉が7つに分かれており,それを「いろはにほへと」と数えたことからイロハモミジの名前がついた。タカオカエデのタカオとは紅葉の名所である京都の高雄山からきている。

掌状に5~7深裂する。葉縁には重きょ歯があり,対生する。秋に美しく紅葉する。

春になると枝先に複散房花序を出し,雄花と両性花を混生する。花は黄緑色で,ときに紫色。