ソテツ

ソテツ亜熱帯地方の海岸や低地に生育する常緑低木。葉は大型の羽状複葉で長さは1mほどになる。国内での自生地は限られており,天然記念物として保護されている地域が多い。自生のほか,鑑賞用に公園などに栽培される。果実は食用にされる。

茎の頂から四方に大型の羽状複葉が広がる。硬くつやがあり,革質。

雌雄異株。雄花は茎の先に,高さ50cm以上の花穂となってつく。雌花は茎の先に重なって球状に集まる。

ゼンマイ

ゼンマイ日本各地の山地の樹林下に生育するゼンマイ科の多年生草本のシダ植物。栄養葉と胞子葉で形態が異なり,胞子葉は春に伸びて胞子を放出した後枯れる。春,根茎から伸びるうずまき状に巻いた若芽は食用にされる。

2回羽状複葉で,小羽片は三角形状の披針形で洋紙質である。葉の表面は赤褐色の綿毛に密に覆われているが,成長するにつれて無くなる。 胞子葉は栄養葉より早く出て,小羽片には胞子のうが密生する。線状,褐色で胞子を放出するとすぐ枯死する。地上部は冬前に枯れて,翌年の春にまた葉をのばす。栄養葉の若芽は山菜として食用にされる。

セリ

セリ水辺を好む多年生草本。葉に香りがあり食用にされ,春の七草のひとつとして知られるが,見かけがよく似たドクゼリという有毒植物があるので注意が必要。葉は1-2回奇数羽状複葉で,卵形の小葉をつける。

奇数羽状複葉。小葉は卵形できょ歯がある。特有の芳香がある。

夏にまっすぐな花茎を長さ30cmぐらいのばし,その先に白い小さな花をたくさん咲かせる。

スミレ

スミレ北海道から九州の山野に普通に生育する多年生草本。茎がなく根もとから花や葉がはえる。葉は長楕円形から披針形で,長い柄を持ち互生する。4-5月に濃紅紫色の花を咲かせる。

長さ3-8cmの披針形から長楕円形の葉を互生する。葉質は厚めで,光沢がある。

春に花柄の先に濃紅紫色の花をつける。スミレには開花する花と開花しない花の2種類あり,それぞれ開放花,閉鎖花とよばれている。閉鎖花は他の花の花粉を受粉せずに種子を残すことができるため,開放花より確実に種子をつくることができる。

スギ

スギ材として利用されるため日本の山地に広く植林される。高さは大きいもので45m,幹の直径は2mにもなる。毎年,春に大きく騒がれる花粉症の原因植物のひとつ。樹皮は灰褐色で縦に切れ目がある。

先の曲がった針形葉。らせん状に互生し,枝に密につく。

春に花が咲き,風で花粉が飛ばされる。雌雄同株。雄花は長さ8mmぐらいの楕円形で,枝の先に集まってつく。雌花は緑色をした球状で,枝の途中につく。