スズメノカタビラ

世界に広く分布し,日本でも各地のいろいろなところにはえている。秋に芽をだして,春に花が咲く越年生植物。全体に毛はなく軟弱で,高さ10~30cm。花穂が小さくて細いので,雀が着るような帷子(裏地のない着物)にたとえて名づけられた。

長さ2~8cmの線形。

春,茎の先の方に円錐花序をつけ,卵形の小穂を多数つける。

イチョウ

中国原産の落葉高木。街路樹として各地によく植えられるが,外種皮に悪臭があるのを嫌って,雄株を植栽することが多い。 果実の内側にあるかたい内種皮に包まれているのが,料理に用いられる銀杏である。古木や踏圧の強い並木では乳と呼ばれる気根を生じ,寺院では信仰の対象とされるものもある。

扇状で中央部に切れ込みがある。葉脈は二又に分岐する平行脈。春から夏までは緑色,秋になると黄葉して美しい。

雌雄異株。新葉の展開とともに咲く。雄花は尾状になり,雌花は花柄の先に胚珠だけを2つつける。どちらの花も地味で目立たない。 春に花粉が胚珠に入り,秋のはじめに精子ができて受精する。

ハナショウブ

ハナショウブノハナショウブから品種改良された園芸種で,水辺に栽培される。花は中脈をもつ。どの植物も花の時期,形,葉の形などよく似ているが,はえる場所が違う。アヤメは乾燥した土地にはえ,カキツバタは水湿地にはえる。

線状の葉を多数つける。

初夏に咲く花は13~16cmと大きく,紫,紅紫,白,ピンクなどの色があり,さらにこれらの絞り,ぼかし,覆輪(花弁に縁どりがある),八重,縮みなど様々なものがある。よく似た植物としてアヤメ,カキツバタがある。

シャガ

シャガ古い時代に中国から渡来したと考えられている多年生草本。本州から九州の人里近くの湿った森林内に群生しているが,観賞用に栽培もされる。根茎は地面をはい,分枝して地上に葉や花茎をのばす。葉は長さ30-60cmの線形。4-5月に黄橙色や薄紫色の斑点がある白い花を咲かせる。

長さ30-60cm,幅2-3cmの線形。深緑色で光沢がある。

4-5月に長い花茎を出し,白い花をつける。花弁には黄橙色と薄紫色の斑点が入り,美しい。

カキツバタ

カキツバタ北海道から九州の湿地に生育する多年生草本。観賞用として公園の池などに栽培されている。茎は高さ40~70cmで頂端に花を3つつける。葉の明るい黄緑と花のあざやかな紫色の組み合わせは遠くから見ても美しい。

長さ30~70cmの剣状線形で,やわらかい。

5~6月,花茎の先に大きな青紫色から紫色の花を咲かせる。

見分けのポイント

同じくアヤメ属のアヤメ・ハナショウブと花の時期や外見がよく似ているので見分けがつきにくい。しかし,アヤメは乾燥した山野,ハナショウブは水辺などの湿地,カキツバタでは浅水地や湿地と,それぞれ生育場所が異なることから区別できる。花の色は,アヤメはおもに紫色または白色で,カキツバタでは紫・白・深青色や絞りなどの園芸品種がある。ノハナショウブから品種改良したハナショウブでは黄色などもふくめて様々な品種の花がある。