アヤメ

アヤメ山野のやや乾燥した草地に自生し,庭などに観賞用として栽培される。外花被片の基部に黄色と紫の網目模様があり,これが文目(アヤメ)という名前の由来であるという説がある。 アヤメ属のハナショウブやカキツバタと花の時期や外見がよく似ているので見分けがつきにくい。しかし,それぞれ生育場所が異なるため区別できる。アヤメは多湿なところには生育せず,乾燥した山野に生える。ハナショウブは水辺などの湿地,カキツバタは浅水地や湿地に生育する。 花の色は,アヤメはおもに紫色または白色で,カキツバタは紫・白・深青色や絞りなどがあり,アヤメを品種改良したハナショウブは黄色など様々な種類がある。

細長く剣状で青緑色。

花の色は紫のほか,白やうす紅紫の栽培品がある。外花被片が下垂し,内花被3片が直立する。

ナズナ

ナズナ春の七草のひとつで,日本各地の道端で見られる。秋に発芽し,地面に葉だけをのばした状態(ロゼット)で冬を越して春に開花する二年生植物。春に開花し,白色の4弁花をつける。

根生葉は羽状に裂け,茎生葉は線状披針形で基部は茎を抱く。

春,茎頂に総状花序をだし,下部から順に白色で十字状の花が咲く。

ダイコン

ダイコンヨーロッパ原産で,日本では食用として畑で広く栽培されている二年生草本。地中に食用となる太く大きな根があり,そこから葉や茎をのばす。葉は根生し,葉身は羽状に裂ける。春に薄紫色または白色の花をつける。花冠はアブラナ科に典型的な形態で,花弁は4枚で十字型につく。

根生葉は長さ30cmほどであらい毛があり,束生する。倒披針形で羽状に深裂する。

春に茎を高さ1mほどのばし,茎の先から薄紫色,あるいは白色で十字状の4弁花を咲かせる。

アブラナ

アブラナもとはヨーロッパの北部に自生し,雑草として扱われていた。中世に種子から油をとり出せるようになって栽培が盛んになり,その後中国を経て日本にも伝わった。黒い種子からなたね油をとる。 この植物の変種には食用植物が多く,カブ,ハクサイ,コマツナ,ノザワナ,チンゲンサイなどがある。観賞用のナバナも変種である。 最近,土手などに群生しているのはカラシナ。

下部の葉は大型で羽状に裂け,有柄。縁に鈍い歯牙がある。表面が鮮緑色で,裏面は白色。 上部の葉は広披針形で基部が耳形。無柄で茎を抱く。

春になると,茎の先に総状花序を出し,直径1cmほどの黄色い花がたくさん咲く。十字状に花弁がつく。

見分けのポイント

本種の葉は茎を抱くようにつくのに対し,カラシナの葉は茎を抱かない。 アブラナの染色体数は2n=20であり,セイヨウアブラナは2n=38である。

ガクアジサイ

ガクアジサイ暖地の海岸や海沿いの山地に生育する落葉低木。自生地は暖地の太平洋沿岸部に限られていて,おもに観賞用に栽培される。葉は5-15cmの広卵形で,対生する。装飾花を咲かせ,中央の両性花を囲む額に見たてて,額紫陽花と名前がついた。

長さ5-15cmの卵形から広卵形で,葉質は厚く光沢がある。葉柄を持ち,対生する。縁にはきょ歯がある。

夏に枝先に散形花序を出す。小さな両性花が密集し,そのまわりをがく片4,5枚の装飾花がとり囲む。装飾花は花の機能を失っている。