セイヨウタンポポ

ヨーロッパ原産で,日本に明治時代に渡来した帰化植物。単為生殖で種子ができるので繁殖力が強く,特に都市部を中心に広がっていて在来のタンポポと競合している。根生で羽状のロゼット葉で冬を越す。ほとんど一年中,黄色い舌状花からなる頭花をを咲かせている。ヨーロッパ北部では葉を食用にする。

狭楕円形で,深裂するものから全縁のものまで変異が大きい。

頭花は黄色で両性の舌状花からなる。総苞片が反り返る。受粉が起こらなくても単為生殖で種子ができる。

見分けのポイント

頭花を包む総苞片が反り返っているのでカントウタンポポなどとは区別できる。

シロバナタンポポ

西日本に多く見られる白い花をつけるタンポポ。道端などに生える多年生草本。早春には地面をはうように葉がつくが,その後は地面から離れて斜上する葉がはえる。カントウタンポポに似ているが,カントウタンポポの葉は斜上しない。葉は羽状に中裂し,根生する。春に白色の頭花をつける。

根生葉は長さ15-20cmの倒披針状線形で,羽状に中裂する。

頭花は春に咲き,直径3.5~4.5cm。舌状花の花冠は白色になる。

カントウタンポポ

関東から中部地方に分布する多年生草本。トウカイタンポポとエゾタンポポの交雑種だと考えられている。最近,都市部では繁殖力の強い外来のセイヨウタンポポにおされ,あまり見かけなくなっている。葉は食用とされ,根は胃腸薬として利用される。

倒披針形で羽状に裂けた根生葉をロゼット状に展開する。

春になるといち早く花茎をのばし,花茎の先に黄色の舌状花からなる頭花をつける。花は太陽が出ない日は閉じて,太陽が出ると開く。

見分けのポイント

頭花のまわりの総苞片は反り返らず,頭花の側面に張りつくのでセイヨウタンポポと区別できる。また総苞外片が卵状楕円形で内片の半分より短いことからトウカイタンポポと区別できる。

コスモス

メキシコ原産の一年生草本。明治時代にもちこまれ,観賞用として広く栽培される。園芸品種には花の色が白色や黄色のものや八重咲きなどもある。アキザクラの別名のとおり,秋に開花する短日植物だが,早咲き品種は温度上昇によって開花し,6月から開花する。コスモスは「装飾」の意味で,花の美しい色や整った形からついた。

2~3回羽状に細裂し,裂片は線状となる。対生。

頭花は白色や薄紫色,黄色,紅色などで直径6cmぐらい。花の中央の黄色い部分は小さな管状花が多数集まっており,結実する。周辺に8個の大きな舌状花が並ぶが,こちらは結実しない。

オニタビラコ

日本各地の道端などに生育する二年生草本。全体に細かい毛がはえ,高さ20-100cm。葉は羽状に深裂し,5-10月に複散房花序を出して黄色い花を多数つける。そう果には冠毛がつき,風によって散布される。

倒披針形で,基部の方に切れ目が深く入り,羽状になる。葉が紫色を帯びることが多い。

まっすぐのびた茎頂に,直径7~8mmの黄色い舌状花からなる頭花を多数咲かせる。花期は5-10月を中心に,通年。