動画で学ぶ

5章 無機物質

水素のシャボン玉

水素は最も軽い気体である。水素を吹きこんだシャボン玉は,空気中では浮く。

塩素の発生と銅との反応

さらし粉に塩酸を加えると塩素が発生する。その化学反応式は次の通り。

\[ \mathsf{CaCl(ClO)\cdot H_2O\;+\;2\,HCl\;\longrightarrow\;CaCl_2\;+\;2\,H_2O\;+\;Cl_2} \]

塩素(黄緑色の気体)の中に,熱した銅線を入れると,銅と塩素が反応する。反応していることは,塩素の色が薄くなることで確認できる。銅と塩素は次の反応をする。

\[ \mathsf{Cu\;+\;Cl_2\;\longrightarrow\;CuCl_2} \]

なお,ハロゲンは有毒なので,この実験では換気に注意する。

臭素の発生と銅との反応

臭化カリウムと酸化マンガン(IV)の混合物に硫酸を加えると,臭素が生成する。その化学反応式は次の通り。

\[ \mathsf{2\,KBr\;+\;MnO_2\;+\;2\,H_2SO_4\;\longrightarrow\;K_2SO_4\;+\;MnSO_4\;+\;2\,H_2O\;+\;Br_2} \]

臭素の気体(褐色)の中に,熱した銅線を入れると,銅と臭素が反応する。反応していることは,臭素の色が薄くなることで確認できる。銅と臭素は次の反応をする。

\[ \mathsf{Cu\;+\;Br_2\;\longrightarrow\;CuBr_2} \]

なお,ハロゲンは有毒なので,この実験では換気に注意する。

ヨウ素の発生と銅との反応

ヨウ化カリウムと酸化マンガン(IV)の混合物に硫酸を加えると,ヨウ素が生成する。その化学反応式は次の通り。

\[ \mathsf{2\,KI\;+\;MnO_2\;+\;2\,H_2SO_4\;\longrightarrow\;K_2SO_4\;+\;MnSO_4\;+\;2\,H_2O\;+\;I_2} \]

ヨウ素の気体(紫色)の中に,熱した銅線を入れると,銅とヨウ素が反応する。反応していることは,ヨウ素の色が薄くなることで確認できる。銅とヨウ素は次の反応をする。

\[ \mathsf{2\,Cu\;+\;I_2\;\longrightarrow\;2\,CuI} \]

なお,ハロゲンは有毒なので,この実験では換気に注意する。

塩素による漂白

塩素が花に含まれる水に溶けて次亜塩素酸になり,次亜塩素酸の酸化作用によって,花の色素が漂白される。

次亜塩素酸の酸化作用は,次の反応式で表すことができる。

\[ \mathsf{ClO^-\;+\;2\,H^+\;+\;2\,e^-\;\longrightarrow\;Cl^-\;+\;H_2O} \]

ヨウ素の昇華

ヨウ素は分子結晶で,融点付近で蒸発しやすいため,融解しないで昇華する。ヨウ素の結晶をビーカーに入れ,その上部に冷水を入れたフラスコをセットする。ビーカーを下から熱すると,昇華して気体になったヨウ素が,冷えたフラスコに接して,再び固体に戻る。

なお,ハロゲンは有毒なので,この実験では換気に注意する。

フッ化水素酸によるガラスの腐食

フッ化水素酸(フッ化水素の水溶液)はガラスを腐食する。ガラスにパラフィンをぬり,その一部を削り取って文字を書く。その上からフッ化水素酸をぬり,しばらく放置する。水洗いし,パラフィンをすべて削り落とすと,パラフィンがなかった文字の部分だけ,ガラスが腐食する。

なお,フッ化水素酸は極めて毒性が高いため,取り扱いには十分注意し,ポリエチレンの手袋を使用する。

洗剤を混ぜて塩素が発生

次亜塩素酸ナトリウム$\mathsf{NaClO}$を含む漂白剤と,塩酸を含む酸性の洗剤を混ぜると,有毒な塩素が発生して大変危険である。化学反応式は次の通り。

\[ \mathsf{NaClO\;+\;2\,HCl\;\longrightarrow\;NaCl\;+\;H_2O\;+\;Cl_2} \]

過酸化水素水の反応(約30%)

過酸化水素水に酸化マンガン(IV)を加えると,過酸化水素が分解して酸素が発生する。ただし,この動画のように,過酸化水素水の濃度が高いと,非常に激しく反応をして危険である。過酸化水素水の濃度には十分に注意する必要がある。

過酸化水素水の反応(約5%)

通常の酸素の発生は,この実験のように5%程度の過酸化水素水を利用する。

液体酸素

酸素をポリエチレンの袋に入れて,液体窒素で冷却すると,酸素が凝縮して液体になる。液体の酸素は淡青色をしており,磁石を近づけると引き寄せられる。

濃硫酸の希釈のしかた

水に濃硫酸を少しずつ加えて希釈する。濃硫酸に水を加えると,溶解熱により水が沸騰して危険である。

濃硫酸による脱水

濃硫酸は,有機化合物から,水素原子と酸素原子を水分子の形でうばう。この作用を脱水作用という。角砂糖(スクロース)に濃硫酸をかけると,脱水されて炭素が残る。

濃硫酸をこぼした場合(1)

濃硫酸を雑巾で拭き取ろうとすると,雑巾が脱水されてボロボロになる。

濃硫酸をこぼした場合(2)

砂などを使って広がらないようにし,回収して中和する。

アンモニアの噴水

フラスコの中のアンモニアが,はじめに注入した少量の水に溶けてフラスコ内の圧力が下がり,ビーカーの水が吸い上げられる。アンモニアがその水に溶けてさらに水が吸い上げられる。

アンモニアが水に溶けると,フェノールフタレインが赤色を示す。

黄リンの自然発火

黄リンは,$34^\circ\mathrm{C}$以上で空気中の酸素と反応し,自然発火する。黄リンは燃焼して,十酸化四リンが生じる。その化学反応式は次の通り。

\[ \mathsf{P_4\;+\;5\,O_2\;\longrightarrow\;P_4O_{10}} \]

黄リンの水中での燃焼

発火点以上の温度の水の中に黄リンを入れても,酸素がないため発火しない。そこに酸素を送り込むと,黄リンが発火する。

ガラスの製造

ここで得られるのは,ソーダ石灰ガラスである。

アルカリ金属の炭酸塩

水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素を通すと,炭酸ナトリウム水溶液になる。

\[ \mathsf{2\,NaOH\;+\;CO_2\;\longrightarrow\;Na_2CO_3\;+\;H_2O} \]

さらに二酸化炭素を通すと,炭酸水素ナトリウム水溶液になる。

\[ \mathsf{Na_2CO_3\;+\;H_2O\;+\;CO_2\;\longrightarrow\;2\,NaHCO_3} \]

炭酸水素ナトリウム水溶液に塩酸を加えると,二酸化炭素が発生する。

\[ \mathsf{NaHCO_3\;+\;HCl\;\longrightarrow\;NaCl\;+\;H_2O\;+\;CO_2} \]

テルミット反応

アルミニウムの粉末と酸化鉄Fe2O3を混合して点火すると,アルミニウムによって酸化鉄が還元され,鉄が得られる。

\[ \mathsf{2\,Al\;+\;Fe_2O_3\;\longrightarrow\;2\,Fe\;+\;Al_2O_3} \]

このとき多量の熱が発生し,得られた鉄が融解するため,この反応を使って,レールをつなげる(溶接する)ことができる。

水銀に浮かぶ鉄球

水銀は,非常に密度の大きな液体なので,鉄球は水銀に浮かぶ。