駒込ピペットは,なぜ「駒込」というのか? 【先頭へ】

東京都立駒込病院で最初につくられたため,「駒込ピペット」とよばれている。英語やドイツ語でも,Komagome pipetteと表す。

CQ001001-1.jpg

駒込病院は,1879年に設立され,感染症患者を治療・研究する病院として,多くの業績をあげた。駒込ピペットは,1920年頃,当時の院長である二木謙三が考案したと言われている。

病原体を迅速に特定し,感染が広まるのを防ぐため,サンプルを採取したりする器具は重要である。また,使用した器具は,病原体が付着している可能性が高いので,安全のために使い捨てにした。

ふつうのピペットは,口で吸ったとき,液を吸い込まないように,長い形をしている。また,病原体の採取には,口で吸うのは危険である。

駒込ピペットは,ピペット管の上部にゴム乳頭をつけて,安全に吸い上げるようにした。また,管の3分の1くらいのところにふくらみをつくり,管全体を短くすることで,ガラスを節約した。使い捨てにするためには,安価でなくてはならない。

駒込ピペットは,正確に計量する必要がないサンプルを,迅速で安全に採取できる。現在では,医学だけでなく,化学や生物学の実験などに,幅広く利用されている。

【参考】がん・感染症センター都立駒込病院「駒込ピペットの由来」
http://www.cick.jp/referral/history.html

沸騰石を入れると,なぜ突沸しないのか? 【先頭へ】

液体が気体に状態を変えるのは,沸騰しているときだけではない。沸点以下の温度でも,液面では,蒸発して気体になる変化と,凝縮して液体になる変化が絶えず起こっている。沸点に達すると,液体内部でも液体が気体になる変化が起こり,この現象を沸騰という。

しかし,実際には,沸点を超えてすぐに沸騰が起こるとは限らない。沸騰には,液体中にできる泡の「核」が必要である。通常は,容器に付着している気泡や,溶解している気体が核になるが,これらがない場合には,沸点に達しても沸騰せずに加熱される状態が続く。そして,何らかの刺激により核ができ,激しく沸騰しはじめる。この現象が突沸である。

沸騰石は,素焼きのかけらでできていて,中には小さな穴が無数にあいている。液体に沸騰石を入れると,その小さな穴にふくまれる空気が沸騰の核になる。そのため,沸点に達したとき,沸騰石付近が穏やかに沸騰しはじめる。このような理由で,沸騰石を入れると突沸が起こりにくくなる。

CQ001201-1.jpg 沸騰石の例(直径約2.5mm)

CQ001201-3.jpg 上の沸騰石を拡大

なお,一度使用した沸騰石は,穴に液体が埋まり空気は入っていない可能性がある。再利用する場合には,十分に乾燥させる必要がある。また,細いガラス管(キャピラリー)の一方の端を閉じたものを何本か入れると,沸騰石を入れたのと同じように,突沸を防ぐ働きがある。これも,細いガラス管の中に気泡がたまっていることによる。

【参考】動画で学ぶ:突沸の危険性

メニスカスはなぜ起こるのか? 【先頭へ】

ガラスの管に液体を入れると,水のようにガラスをぬらす液体の液面は凹状になり,水銀のようにガラスをぬらさない液体の液面は凸状になる。このように,液面が平らではなく,曲面になることをメニスカスという。

CQ001501-2.jpg CQ001501-3.jpg

液体を構成する粒子(たとえば,水分子)は,たがいに引き合う力が働く。液体の内部の粒子には,いろいろな方向から力が働くが,液体の表面の粒子は,外と接している面からは力が働かない。そのため,液体表面の粒子は,内側に引き込まれ,表面積を小さくするような力(表面張力)が働く。

CQ001501-1.jpg

水分子とガラスの間には引力が働き,そのため水はガラスをぬらす。表面張力の影響よりも,水とガラスが引き合う力の方が顕著になると,液面は凹状になる。

水銀は,表面張力よりもガラスと引き合う力がずっと小さいため,表面張力により液面が凸状になる。

リービッヒ冷却器はなぜ下から上に冷却水を流すのか? 【先頭へ】

上から水を流し,そのまま流れ出てしまうと,冷却器の中に水が満たされないため,冷却効率が悪くなる。下から水を流し込めば,冷却器の中に水が満たされるので,リービッヒ冷却器では,下から上に冷却水を流す。

CQ001701.jpg