愛知の文学

美夜受比売(みやずひめ)との結婚

作品書名時代
美夜受比売(みやずひめ)との結婚 古事記(こじき) 奈良時代以前
  • 国宝である『古事記』
    (写本,真福寺本)が収められている。

『古事記(こじき)』は和銅5(712)年に成立した現存する日本最古の歴史書であり,天皇統治の由来と王権による国家発展の歴史を説いている。皇室を中心とした神話・伝記・伝説・説話・歌謡などを,稗田阿礼(ひえだのあれ)が語り太安万侶(おおのやすまろ)が記録した。上・中・下の三巻から成っており,上巻には編纂(へんさん)の由来を書いた序文と神話が,中・下巻には神武天皇から推古天皇までの天皇を中心とする人の世の物語が記されている。

作品

景行(けいこう)天皇の皇子である倭建命(やまとたけるのみこと)は,西の豪族熊襲(くまそ)を討伐した後,軍勢も与えられず東征の旅に出かける。相模(さがみ)ではだまされて火攻めにあい,走り水の海ではそこの神の妨害にあって妃(きさき),弟橘比売(おとたちばなひめ)の身代わり入水(じゅすい)でようやく危機を脱して,帰途,尾張(おわり)の美夜受比売(みやずひめ)とかねて約束した結婚を果たす。
倭建命は帯刀(たいとう)の草薙剣(くさなぎのつるぎ)を妻のもとにおいて,伊吹山(いぶきやま,岐阜県)の山の神を討ち取りにでかけた。
こののち,倭建命は油断から伊吹山で敗れ,伊勢国鈴鹿で命をおとしてしまい尾張にもどることはなかった。