世界史おすすめ50冊
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沖縄からアジアが見える
沖縄は東アジアの海と東南アジアの海を結ぶ位置にある。沖縄文化の根源を追求すると、アジア各地の古くからの文化との関わりに行きつく。比較民俗学の成果に基づきながら、沖縄と影響し合ったアジア各地のさまざまな文化とその交流に触れ、「自らの文化を掘り下げ、理解する」ことの大切さを教えてくれる。
日本とタイの交流というと山田長政の話を思い出す人が多いが、それより前からタイと沖縄・琉球王国に交流があったことはあまり知られていない。沖縄の地酒「泡盛」はタイとの交流の中で生まれたという説もあり、「泡盛」の原料となる米は現在もタイから輸入されている。
本書は沖縄出身の著者が綿密な調査をもとに沖縄と中国、東南アジア、韓国、日本列島などアジア各地の文化構造との比較を、言葉や姓制度、三線(サンシン)などの民俗楽器、「をなり神」信仰、綱引き行事や舟漕ぎ行事など、民俗学的な要素に着目して解読していく内容となっている。
従来沖縄の歴史は、日本列島の一つとして組み込まれる過程を中心に取り扱われることが多かった。しかし本書では、そうした歴史のとらえ方では決して見えない沖縄の真の姿が語られる。