世界史おすすめ50冊
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大モンゴルの世界
モンゴル帝国は、13世紀に人類史上最大の版図をユーラシア大陸に拡げた。とかく「破壊者、殺戮者」というイメージで見られるが、融通性のある独特の集団原理をもち、比類のない統治、経済政策によって、東西ユーラシアを陸と海で結んだ。世界国家「大モンゴル帝国」を、全く新しい発想によって描く。
広大なユーラシア大陸中央部は東西にえんえんと草原が続いている。コロンブスが「世界の一体化」のきっかけをつくる前から、ユーラシア世界という世界史が存在した。その世界史を形作ったのが草原に生きる遊牧民であった。しかし、遊牧民の記録はたいてい周りの「文明圏」の人々に書かれており、そこに記述されず失われた時を、本書は少しでも探ろうとしている。
ユーラシア世界での遊牧民の歴史、チンギス・カン(ハン)の人物像、モンゴル帝国の強さの理由、そして、帝国崩壊への過程など、モンゴル帝国の全体像に迫り、モンゴル時代をさかいに歴史が大きく様相を変えたことを、分かりやすく解説する。
また、日本への2度のいわゆる「元寇」についても触れ、これをモンゴルのめざしていた世界政策の中でとらえようとする。
☆類書『モンゴル帝国の興亡上下』講談社杉山正明
『遊牧民から見た世界史』日本経済新聞社杉山正明