世界史おすすめ50冊
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イスラム・ネットワーク
『千夜一夜物語』には、アフロユーラシアにまたがる広大な交易ネッワークの上で活躍した商人の話が多く収められている。本書は、ヨーロッパや中国を主軸に据える従来の「世界史」に対し、「ネットワーク論」を用いて「世界史成立の起点」がイスラム・ネットワークにあることを明らかにしている。
8世紀、ユーラシア大陸において、アッバース朝はイスラム独特の都市間交通を利用した交通網をつくりあげていった。本書は従来の「東洋史」「西洋史」の枠組みを越えてグローバルな世界認識に到達するための「世界史」構成理論である「ネットワーク論」を踏まえ、8世紀後半から9世紀を中心にアフロユーラシアの広汎な諸地域を結びつけたイスラム・ネッワークについて論じている。
この時期の交易ネットワークが「統一された世界史成立」の起点になっていることを著者は主張する。