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「天下餅」の歌はいつ,だれがつくったの?

質問

「織田がつき 羽柴がこねし天下餅 座りしままに 食ふは徳川」という織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の性格を比べた歌は,いつ,だれがつくったのでしょうか?

解答

まず,資料集に掲載している絵から説明しましょう。この絵は,1849年に歌川芳虎という絵師がえがいた浮世絵です。

タイトルは「道外武者 御代の若餅」です。絵の中には,「君が代をつきかためたり春のもち」とあります。

この絵のもとになった歌は,上の表現のものと,「すわりしままに」のところが「座して食らふ」としているものとがあります。いずれも,19世紀の半ばの落首(らくしゅ=だれが書いたかわからない風刺の歌)と考えられています。

絵をかいた芳虎は,幕府の怒りにふれて,版木を焼き捨てられ,版元(出版人)といっしょに手鎖50日というきびしい刑を受けることになりました。

何がいけなかったのかな?

1つは徳川家を風刺したこと。もう1つは,武者絵には名前や紋所(もんどころ=家によって決まっている紋章)などを入れてはいけないという命令に反したというものでした。

この絵は,清水勲「近代日本漫画百選」(岩波文庫)でも,紹介されているよ。