探究「今後の社会保障制度はどうあるべきか?」

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探究ページのテーマについて,「ワークシート」を活用して考えてみましょう。
また,「自己評価シート」を使うことで,どのような力が身に付いたのか,確認することができます。ぜひ使ってみましょう。

探究ページの最後にある「Think」について,他の人の意見も見てみましょう。
また,あなたの意見と同じ点や異なる点,共感できる部分やできない部分などについても,考えてみましょう。

Q. 社会保障制度にはどのような改革が必要?

  • Aさん
    Aさん

    これ以上,税金や社会保険料の負担を増やすのは反対です。給付を最小限に抑え,自助努力によりまかなうことができる制度の充実が必要だと考えます。例えば,高齢者の雇用機会のより一層の拡大や,老後に向けた資産形成のための制度の周知や利便性の向上などを通し,年金の給付額減少に備えるといったことが考えられます。

  • Bさん
    Bさん

    今の給付水準は維持すべきだと思います。例えば,年金でいうと,生活が苦しい高齢者もおり,給付の削減は難しいです。日本は,社会保障給付に対して,税・社会保険料の負担が低いといわれており,ある程度の負担増はやむを得ないと考えます。財源は,消費税率の引き上げによりまかなうことを提案します。所得税や社会保険料の負担は現役世代に集中しますし,担い手であるその世代は,今後減少していきます。一方で消費税は,全世代で負担を分かち合うことができ,税収も安定しています。

  • Cさん
    Cさん

    一律で税や社会保険料を引き上げることは,国民の負担が重く,限界があると思います。例えば,企業の負担能力に応じた法人税の累進性強化など,財源の不足を余力のある企業や人に担ってもらうという考え方もあるのではないでしょうか。

  • Dさん
    Dさん

    現状の給付と負担の水準を維持したままでは,社会保障財政の悪化は避けられません。とはいえ,給付の削減や,負担の増加には反対です。また,国民全員に一律の給付を行うことが必ずしも公正ではないと思います。

    そこで,例えば年金については,マイナンバーの活用などによって,個人の資産状況に応じて給付額を減らす,または給付しないなど,各人の状況に合わせた給付のあり方を検討すべきだと思います。

  • Eさん
    Eさん

    技術が進歩し,費用は高額だが優れた効果を発揮する医薬品や治療法が登場しており,これらに医療保険が適用されれば,患者さんの負担を抑えることができます。一方で,医療保険の財政が厳しい状況であることも事実です。そこで,例えば,薬局などでも購入可能な,軽い症状を対象にした医薬品は保険適用外とするなど,保険適用範囲の見直しについて議論する必要があるのではないでしょうか。

  • Fさん
    Fさん

    国民が医療・介護サービスを受けずに,元気に生活できるようなしくみを充実させることも必要ではないでしょうか。例えば,地方公共団体単位で食生活改善や健康増進の取り組みを進め,一定期間病院にかからない,などの目標を達成できた人は国からお金がもらえるなど,健康な人にメリットがあるしくみを導入してはどうでしょうか。医療や介護への給付の抑制にもつながると思います。

  • Gさん
    Gさん

    現役世代への支出が少ないことも問題だと思います。この問題に対しては,「子ども・子育て」への給付を充実させることで,世代間の給付と負担のバランスを調整するなどの対策が考えられます。さらに,子育てや教育への給付の充実は,少子化対策にもなると思います。少子化が改善し,将来の社会保障の担い手が増加すれば,制度が持続可能なものになるのではないでしょうか。