高校生のための国語のおすすめ30冊

どうしようもなく辛かったよ

どうしようもなく辛かったよ

小説 私のおすすめ30冊 部活動の人間関係 青春ってなんだろう?

講談社

朝霧咲

“青春!”って……楽しいことばかりじゃないよね

中学生の若菜はバレーボール部で活躍する女の子。毎日仲の良い友達と戯れながら学校生活を送り、他愛もない会話で盛り上がり、勉強に悩み、そして部活動が自分の中心にあるような、どこにでもいる普通の女の子。

部活動の引退試合を3か月後に控えた年度末、ずっと信頼し、尊敬していた顧問の藤吉先生の異動がわかり、チームは混乱に陥る。「先生と一緒に最後の大会まで突っ走るつもりだったのに。自分たちの成長を見届けてもらうはずだったのに。なんで……?」そんな思いが若菜たちの心をかき乱す。それでも藤吉先生に成長した姿を見せたくて、藤吉先生がいる中学校と対戦し、勝利する姿を見てもらいたくて、練習に励むものの、何かがかみ合わない……。若菜たちは焦るが、時間は無情にも過ぎ去っていく。

チームメイトの真希や桜、くるみも同じようにもがきながら学校生活を送っているが、それぞれの心の内にはさまざまな思いがあった。

中学校生活最後の1年を、複数の女の子の視点で描いた物語。中学生が主人公だけれど、高校生が中学時代を思い出しながら読んでみるのもいいかもしれない。

次に読みたい本

万葉と沙羅

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小説

文藝春秋

中江有里

中学時代は不登校だった沙羅が、通信制高校で幼馴染の万葉に再会する。叔父の古書店を手伝う万葉は、本について話すときだけ饒舌になる。久しぶりに出会った二人が徐々に心を開いていく様子を描いた短編集。

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文藝春秋

原田マハ

大学時代の親友、ハグとナガラ。四十歳を目前にして共に旅に出るようになる。年を重ねれば様々なものが変わっていくが……。学生時代の友人って、いくつになっても楽しいものですよ。