中学生のための国語のおすすめ50冊

青いスタートライン

青いスタートライン

小説

ポプラ社

高田由紀子

なにかが、違う。なにかはわからないけれどーーそんな思いを抱えるあなたに。

 「第五回 オープンウォータースイミング in佐渡」

 ……これだ……!父母と住む東京を離れ、佐渡で暮らす祖母のもとで一夏を過ごすことになった颯太は、心を決めます。25mを泳ぐこともままならないのに、1キロを完泳することなんてできるのだろうかーー無謀とも言える挑戦が始まります。

 勉強、友だち、家族、そして自分自身のこと。あなたも言葉で表現しがたいもやもやを抱えた経験はありませんか。

 「種まかなきゃ、はじまらんって思って……種まいてみれば、何とかなるかなって。」颯太の姿は、きっとそんなあなたに重なってくるはずです。颯太、いとこのあおい、祖母の教え子の夏生くん、それぞれが抱える思いが、佐渡の青い海に溶けていきます。

 この本を閉じたとき、まぶしく輝く青いスタートラインがあなたの目に浮かぶ、そんな一冊です。(Sさん)