中学生のための国語のおすすめ50冊

ナイフ

ナイフ

小説

新潮文庫

重松清(しげまつきよし)

<家族って何だろう>

『ワニとハブとひょうたん池で』『キャッチボール日和(びより)』『ビタースウィート・ホーム』『エビスくん』表題作『ナイフ』の全5編からなる短編集です。

主人公はみなさんと同世代の小中学生。テーマはいじめ・家族…こう聞くと,だれもが暗く重苦しいイメージを持つことでしょう。確かに,思わず目を背けたくなるようなそうぜつなシーンもあります。でも,そこにはまぎれもない現代のいじめの姿,家族の形があります。父,母,兄,妹,そして自分自身。お互いを思いやり,懸命に生きようとする姿に胸を打たれます。すべての作品が学校を舞台としているので,共感することも多いのではないでしょうか。(Hさん)