中学生のための国語のおすすめ50冊

はじめての文学

はじめての文学

小説

文藝春秋

重松清

〈いまだけでいい,オトナになりたい。〉

サッカー少年団では,レギュラーを張っていた。テクニックやセンスにも,それなりに自信がある。でも,中学校で入部したサッカー部にあったのは,理不尽(りふじん)に厳しい三年生の先輩たちとウサギ跳びばかりの毎日。そうだ,三年生たちはオトナで,自分たちはコドモだったんだ。

それでもやめずにがんばったヒロシは,夏の大会でスタメンに選ばれた。この間まで三年生の先輩が着ていた「ゼッケン2のユニフォーム」ももらえた。でも,どうしてだろう。あれだけ理不尽だった三年生の先輩の姿がどうしても気になってしまう。このユニフォームは,あの先輩が,着ていたものだ・・・。(「ウサギの日々」)

みなさんと同じ年頃の主人公が,悩んで,苦しんで,成長していく短編集。「ウサギの日々」だけでなく,教科書でおなじみの「カレーライス」や「タオル」も入っています。  (Sさん)