中学生のための国語のおすすめ50冊

ドッペル

ドッペル

小説

河出書房新社 河出物語館

芦原すなお(あしはらすなお)

<時の砂の流れの中で>

「するするすべり落ちて,ひらひら引き回されて,もりもり丸められて,吐き出された―そんな感覚だけがあった。」という文で始まるこの物語は,不思議な冒険の話だよ。自分の名前も忘れてしまった「ぼく」が,自分のことを知っているドッペルというじいさんをさがしに旅をするんだが,「へんな話!」と最後につぶやきたくなる話なんだ。

きみはときどき,覚えていないけど,確かどこかで見た風景だなと思った瞬間はないかい?そんな瞬間がずうっと続く感じがこの話にはあるよ。きみもドッペルを「ぼく」といっしょにさがして,生きものの不思議な世界を味わってみようよ。(Wさん)