中学生のための国語のおすすめ50冊

心に残る患者の話

心に残る患者の話

随筆

集英社文庫

石川恭三(いしかわきょうぞう)

<死に直面した患者からの「命のメッセージ」>

「先生,悔(く)いのない人生なんて決してありえないんです。でも,悔いを少なくすることはできるんです。」自分の死までにさほど時間がないと知ってしまったら,あなたならどんな気持ちになり,どんなことをしますか。だれでも一度くらいは想像したことがあるかもしれませんね。

この本の作者は,人間の死に立ち合うことの多いお医者様です。その作者が受け取った,死に直面した患者からの「命のメッセージ」の数々を,そのエピソードと共につづっているのです。

人は誰でも必ず死にます。その死を自らが納得して受け入れるためには,どんな生き方をするべきなのか,そのメッセージの裏側にひそむものを考えながら読み進めることができる一冊です。(Oさん)