中学生のための国語のおすすめ50冊

風の中のマリア

風の中のマリア

小説

講談社文庫

百田 尚樹

虫も社会の中で生きています。蜂の世界をのぞいてみましょう。

 私たち人間は社会の中で生きていますが、人間以外の小さなものにも命があって社会があるということは普段あまり意識していませんよね。この本を読んで蜂の世界へ旅立ってみましょう。

 あなたは、働き蜂マリア。一生懸命、仕事をして生きています。蜂の目線で語られた大自然はすばらしいもの。そして、同じ蜂同士の気ままなコミュニケーションや恋模様、別の巣から出てきた蜂との激しい戦いも待っています。薫風の中を心地良く飛びながらたくさんの出会いを経験し、誰のために生きているのかマリアは考えます。自由な空の旅と裏腹に、蜂の社会のトップである女王蜂の存在に縛られる不自由さ…。蜂になって本の世界から戻ってくると色々な発見を持ち帰っている、とても不思議な旅ができる一冊です。(Oさん)