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四日間の奇蹟(きせき)

四日間の奇蹟(きせき)

小説

宝島社文庫

浅倉卓弥(あさくらたくや)

<ほら,弾けるでしょう?弾きなさい。>

私たちはこの世に生まれ,ある存在として一定の時を過ごし,与えられたものをすべて奪われることを約束されています。人はなぜ生きているのでしょうか?不条理な犯罪に巻き込まれために,両親を失った知的障害の少女千織,小指とともに将来への希望を失った青年ピアニスト敬輔。

失意の敬輔に光を与えたのは,一度聞いた曲を完璧に記憶して演奏するという千織の能力でした。二人は演奏旅行に出るようになります。そんな中,ある日訪れた山奥の診療所で出会った真理子に千織はすぐに心を開いていきますが,二人を突然のヘリコプター墜落事故が襲い‥。

すべての魂は,様々な苦しみの果てにやがてやさしい光に包まれていく。そんなことを信じられる不思議な物語です。 (Mさん)