中学生のための国語のおすすめ50冊

リズム

リズム

小説

角川書店

森絵都(もりえと)

〈なにをするにも,一番大切なのはリズムなんだ〉

当たり前のように思っていた日常が,突如,形を変え始めたとき,あなたならどうしますか? 中学一年生の少女さゆき。夏休みの終わりの8月31日,机の引き出しから,小学2年生の時に書いたなつかしい作文が見つかります。題名は「二つのわが家」。

さゆきはもう一つの「わが家」に住む,いとこの真ちゃんに恋心を抱いています。ある日,さゆきは父母の会話から,真ちゃんのパパとママが離婚をすることを知ってしまいます。大好きな真ちゃんの家族がばらばらになってしまうことにショックを隠しきれないさゆき。それでも,頼りない幼なじみのテツや友達の陽子,三木先生らに囲まれながら,さゆきは,受け入れがたい事実を胸に,日々の生活を送っていきます。しかし,さらには真ちゃんまでもが・・・

人それぞれに悩みを抱えながら生きるさゆきたちの姿に,自分を重ねながら読むことで,自分の生き方を見つめ直すことができる一冊です。  (Kさん)