中学生のための国語のおすすめ50冊

優等生(ゆうとうせい)-いつか本当に泣けるまで

優等生(ゆうとうせい)-いつか本当に泣けるまで

小説

ポプラ社 ジュニア文学館25

松村美樹子(まつむらみきこ)

<心が痛いときのつらさを知っている人は,ほかの人の心も大切にしようとするんじゃないかな>

悠子は負けず嫌いで,勉強も運動もできる優等生。家の手伝いも妹の面倒もみるしっかり者。新学期のクラス替えで,「変わった子」風花に出会い,「クラスのお荷物」を世話する感覚で風花の友達になろうとする。ところが,悠子は……。

何もかもパーフェクトにこなそうとする悠子が,自然体で生きていく風花の姿から少しずつ変わっていく過程がおもしろい。日々のあわただしさの中で忘れていることを風花ののんびりとした姿が指摘している感じがする。登場人物は小学生で,ストーリーも簡単だけれど,純粋な目で自分の心を問いたくなるお話だ。(Wさん)