中学生のための国語のおすすめ50冊

子どもたちの戦友

子どもたちの戦友

小説

角川書店

宗田 理(そうだおさむ)

<おれたちは戦友だったんだ。何も言うな>

この国には60年近く平和が続いています。突然だれかの家に爆弾が落ちて,友達が命を落としたり手足を失ったりすることはありません。学校では当たり前に勉強や運動ができ,コンビニに行けば,いつでもたいていの物が手に入ります。そんな時代に生きる君たちに聞きましょう。そいつのためなら,何でもできると言えるほどの友達がいますか。……不登校を続けている6年生の道也は,メル友の雄太に誘われて三河に出かけます。そして,三河湾を望む山頂で,あるおじいさんから「子どもたちが戦友だった時代」の話を聞きます。自分たちの明日の命さえ知れない戦争の時代苦しい時代であったのに,そこには目を輝かせて生きていた少年たちがいました……。(Mさん)