中学生のための国語のおすすめ50冊

随筆

講談社

大平光代（おおひらみつよ）

＜絶望のどん底からも人は立ち上がる＞

中1のときの転校をきっかけに，陰湿（いんしつ）ないじめを受けるようになった大平さんは，追いつめられて自殺をはかったものの一命を取り止め，何もかも信じられなくなって非行に走ったあげく16歳で「極道（ごくどう）の妻」になります。しかし，そこにも自分の居場所は見つかりませんでした。

不信と怒りとにくしみで心がこちこちに固まってしまっていた彼女が，人との出会いをきっかけに生きる意欲を取り戻し，いろいろな資格試験に挑戦していく。そして，難関といわれる司法試験にも合格し，今は弁護士として活躍している…そんな大平さんからのメッセージが心をとらえます。（Ｓさん）