中学生のための国語のおすすめ50冊

少年

少年

評論

徳間書店

吉本隆明(よしもとたかあき)

<少年の善や悪には不朽の核が含まれて>

最近,マスコミに少年犯罪がよく取り上げられ,騒がれています。報道される青少年たちと同じ時間を過ごす君たちは,それをどのように受け止めているのでしょうか。

しかし,それは現代だけの問題ではありません。例えば,いつの時代にもいじめはありました。それは古くて新しい問題なのです。大人たちはそれを忘れ,昔からあり続けた問題と向かい合う覚悟を持てず,大騒ぎをしているのでしょう。

この評論は,現代思想の世界を引っぱってきた筆者が,自己の少年期の内面を深く見つめることによって,真剣に今の少年問題の意味付けを行おうとしたものです。彼は型どおりの結論には行き着いていません。青少年として生きている今というこの時の自分を思いながら,読んでみてください。(Mさん)