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詩歌の待ち伏せ

詩歌の待ち伏せ

詩歌

筑摩書房

北村薫(きたむらかおる)

<人は詩歌とどのように出会うか>

何気なく読んでいた新聞記事で,実力テストの問題で,小説の中の引用部分で,あるいは,書の展覧会で…詩歌との出会いは,こうした偶然に負うところが多いと筆者は述べています。この本では,その偶然の出会いで筆者の魂に刻み付けられた何編かの詩歌を取り上げて,どんな点が心をとらえたかを,筆者自身が明らかにしようとしています。そこに,筆者の言葉に関するセンスやこだわり,価値観,人生観といったものがくっきりと浮かび出てきます。こんな見方もあるのか,そんな風に受け止めることもできるのか…と,よく知っているつもりの詩歌に新しい発見をする楽しさが体験できるでしょう。(Sさん)