中学生のための国語のおすすめ50冊

ハラスのいた日々〈増補版〉

ハラスのいた日々〈増補版〉

記録

文春文庫

中野孝次(なかのこうじ)

<愛犬と過ごした大切な日々>

あなたは「犬」を知っていますね。でも,どれくらい知っていますか?好きですか?飼ったことがありますか?今,飼っていますか?もしかしたら,犬は嫌いですか?そういうすべての皆さんにお勧めするのがこの本です。

そこには,作家の中野さんが四十代後半に柴犬のハラスを飼い始めてから,「犬」という生きものを本当に知っていった,そして,かけがえのない存在として深く関り合い,失うまでの13年間の心の動きが,中野さん自身の生き方や思想とともに語られています。力が込めて書かれたハラスの失踪(しっそう)事件は60ページ近くを割いていますが,読む側も祈るような気持ちになってしまいます。

続編ともいうべき「犬のいる暮らし」も,ぜひ,どうぞ。(Sさん)