中学生のための国語のおすすめ50冊

秘密の道をぬけて

秘密の道をぬけて

小説

あすなろ書房

ロニー・ショッター

<もし逃亡奴隷が目の前に現れたら,あなたはどうしますか?>

今から150年ほど前のアメリカを舞台にしたお話です。ある夜,奴隷(どれい)など見たこともなかった白人の少女アマンダの前に,突然,黒人の家族が現れます。カナダを目指して逃げている途中の逃亡奴隷でした。アマンダの両親は逃亡奴隷を自由の地へ逃がす秘密組織「地下鉄道」の一員でした。当時,非常に厳しい逃亡奴隷法が制定されたため,奴隷が逃亡することは命がけのことでした。それだけでなく,当時は,逃亡の手助けをした人間にも重い罰がくだされます。そんな危険もかえりみず,アマンダの家族は逃亡奴隷であるハンナたち家族のために勇気を振りしぼります。

自由とは,勇気とは,人間の尊厳とは。様々なことを考えさせられるお話です。(Tさん)