中学生のための国語のおすすめ50冊

まる子だった

まる子だった

随筆

集英社文庫

さくらももこ

スマホもYouTubeもTikTokもない時代、そこにあるのはーー

 毎週日曜日夕方6時、あの声が聞こえてきますね。

 「ちびまる子ちゃん」の主人公「まる子」は、静岡に住む小学3年生。夢見がちでお調子者、のんびり屋で、いつも母に怒られている「まる子」は、作者のさくらももこさんの幼少期の姿そのものです。「授業中、私はいつでも自己流に過ごしていた。」「自分の欲しいオモチャやペットの事を考えたり、消しゴムのカスを集めて練って遊んでいたり、…まァいろいろとやる事はあったのである。」ここまで読んで、シンパシーを感じたあなたもそうでないあなたも、ぜひ手に取ってみてください。エッセイの真髄ここに極まれり!読み進めるごとに、畳の香りとともにあたたかな気持ちが胸に広がります。昭和とはどんな時代だったのか、あなたのお父さんお母さん、おじいさんおばあさんの、はちゃめちゃわちゃわちゃな日常がのぞけることでしょう。

 もしあなたが、休み時間にこの本を開くようなら気をつけて。「ねぇ、○○さん…ひとりでニヤニヤしているよ……。」とひそひそ言われかねませんよ。(Sさん)