中学生のための国語のおすすめ50冊

小説

文藝春秋

有川浩

〈やさしい気持ちになれる本〉

主人公は猫。名前はナナといいます。元々は野良猫(のらねこ)で名前のなかったナナとサトルの出会いから話は始まります。そこから５年間，二人は仲良く暮らしていました。しかし，ナナの飼い主サトルはある事情があって，ナナを飼うことができなくなってしまいます。そこで，サトルはナナの新たな飼い主を探すため，ナナとともに長い旅に出ます。

ナナ(猫)の視点から描かれる部分は，「なんで動物の気持ちがそんなに分かるの？」と，思ってしまうほどリアルです。話し言葉のような読みやすい文体で書かれているため，時間を忘れてすらすらと読めてしまいます。そして，サトルの秘密が明かされる後半の部分は涙なしでは読めません。読んだあとは，人とのつながりは大切にしなきゃと思うはずです。

猫が好きな人はもちろん，そうでない人にも，おすすめの一冊です。（Ｏさん）