中学生のための国語のおすすめ50冊

小説

講談社

たつみや章（たつみやしょう）

＜人間の知識や技術は自然にはかなわない＞

この本は1993年に書かれた作品ですが，1999年に日本で実際に起きた原子力発電所の事故を思い出させる話です。亡くなられた方の姿がスイッチョさんの優しい言葉と重なって悲しさがこみあげてきます。

「ツクヨミ様のまんじゅう」を食べて不思議な経験をしたマサミチ。生き物たちの表情や言葉が目や耳から心の中へ入ってきたら，どんな感じなのでしょう。その不思議な経験を通して，マサミチは原発のおそろしさを始め，自然界の大事なことを学んだのです。私たちが当たり前のように使っている便利なモノを，一度根本的なところから見直してみたくなるお話です。（Ｗさん）