中学生のための国語のおすすめ50冊
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居酒屋志願(いざかやしがん)

小説
小学館文庫
<伝わってくるものは,人と人との交わり「縁」の不思議な温かさ>
「あなたはやはり見込(みこ)んだとおりの方だ。わたしは人生の最後に,いい人とめぐり会いましたよ」と嬉(うれ)しそうに語った漆塗(うるしぬ)りの老職人。その老職人とめぐり合い職人の世界に導かれ,老職人の最期(さいご)にこのように言われた男の内面が描かれている。人と人との交わりや縁の不思議な温かさが伝わってくる『その日まで』。
「光茫(こうぼう)のなかで,男の子が,自転車をくるりとこちらへまわし,笑い顔を向けてきた。そのとき,平川さんは幼い息子の面(おも)ざしを見たように思った。」思い立って,若いころに住んだことのある町を訪ねてみた初老の夫婦。半世紀の時を経て一変してしまった町の風景。しかし,幼くして亡くしたわが子のおもかげに偶然めぐり合えた気がした二人は,いつもの優しい気持ちを取り戻してゆく……『遠い町』。
自分のことをわかってくれる人はだれもいないような気がして,少しさみしくなったとき,この本を読むと,ちょっとだけ心が温かくなります。(Oさん)