アクティブ地理 インタビュー特集
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パキスタン
アリフ・ユシャ さん
(یوشع عارف さん)
(ARIF Yousha さん)
首都:イスラマバード
人口:2億4750万人(2023年)
面積:80万km2(2022年)
ウルドゥー語のあいさつと自己紹介
インタビュー
わたしはパキスタンのカラチ出身です。カラチは、パキスタン南部のアラビア海に近い、大きくてにぎやかな都市です。国の中で一番大きな都市で、東京と同じように会社やオフィスがたくさんあります。首都ではありませんが、パキスタンの商業や貿易にとってとても大切な都市です。
わたしが日本に興味を持つようになったきっかけは、父の話でした。父は1980年代後半に日本で2年近く働いていました。父は、日本の町がとてもきれいで、人々が親切で、よく働くことなど、たくさんのよい話をしてくれました。そうした話を聞いて、わたしは日本の生活に興味を持つようになりました。
その後、パキスタンの大学で勉強していたときに、ある先生が「日本で博士号を取った」と話してくれました。先生は、日本の大学や研究について教えてくれました。その話を聞いて、わたしはもっと日本や日本の人々に興味を持つようになりました。
はい。パキスタンの人の多くは、よい仕事を見つけて家族のためにお金をかせぐため、外国へ行きます。コンピュータの技術を持っている人は、アメリカ、カナダ、イギリスなどへ行くことが多いです。エンジニアは、サウジアラビアやドバイ、アラブ首長国連邦など、建築や工事の仕事が多い国へ行くことが多いです。
日本も、働いたりビジネスをしたりする場所として人気が高まっています。多くのパキスタンの人が、日本に来て車を買い付け、それを(外国へ)売る仕事をしています。そしてパキスタンにいる家族のためにお金を送っています。
パキスタンには、いろいろな地形があり、場所によって気候がちがいます。
北部には高い山があり、寒くて乾いた気候です。冬には雪が降ることもあります。人々は寒さから体を守るために、セーターや羊毛のぼうしなど、羊毛でできた暖かい服を着ます。
カラチなどの南部は、海に近いので、夏はとても暑くなり、湿った気候です。人々は、白や水色などの明るい色の、うすくて軽い服を着て、暑さをしのいでいます。
東部にはタール砂漠という大きな砂漠があり、とても乾いていて、作物を育てるのが難しい場所です。
西部にも山がありますが、北部ほど寒くはありません。
このように、どこに住んでいるかによって、服の着方も変わります。寒い場所では暖かい服を、暑い場所ではすずしい服を着て生活しています。
食べ物は地域によって異なります。
わたしの住む南部の街の人は、スパイスの効いた辛い食べ物を食べます。よく知られている料理はビリヤニ、チキンティッカ、そしてカラヒです。これらはたくさんのスパイスを使って調理されたとても辛い料理です。
北部では、あまり辛い食べ物を食べません。羊、山羊、牛肉、鶏肉などの肉から塩と水でだしをとり、暖かいスープに調理するのが一般的です。このような料理は寒い季節に適しており、北部では冬によく食べられます。
少しだけありました。わたしはイスラム教徒なので、豚肉を食べることができません。でも、日本では豚肉が入っている料理が多くて、食べられるものを見つけるのが難しいときがありました。
それに、日本語があまり上手ではないので、「この料理に豚肉が入っていますか」とたずねることができないこともありました。
でも、コンビニでは、魚や野菜など、食べられるものが見つかったので、今ではあまり困ることはありません。
ラマダンの間、イスラム教徒は日の出前から日没まで、食べものも飲みものもとりません。朝は4時ごろに起きて、「スフール」という軽い食事をとります。日が出る前に食べ終え、そこから断食が始まります。
日がしずむ夕方6時ごろになると、また食べることができます。この夕方の食事は「イフタール」といい、まずナツメヤシの実を食べたり、水を飲むことから食事が始まります。
ラマダンは、ただ食べないだけではありません。人にやさしくしたり、辛抱(しんぼう)強くなったり、悪口を言ったりケンカをしたりしないように気をつけます。パキスタンでは「今はラマダン中だから、あなたと議論はできません」と言うこともあります。ラマダンは、人に思いやりを持って、静かな気持ちで過ごすことを助けます。
ラマダンの期間は、月の満ち欠けの形を見て決められるので、29日か30日間続きます。年をとった人や病気の人、旅行中の人など、体に無理があるときは断食をしなくても大丈夫です。
わたしは、パキスタンでは、ラマダン中は家族と一緒に過ごしました。一緒に食事をしたり、お祈りをしたりしました。でも、日本に来てからは一人でラマダンを過ごすことになり、少しさびしく感じました。それでも、ラマダンの気持ちは今も大切にしています。
はい、パキスタンではときどき、女性と男性が別々の場所を使うことがあります。これはイスラム教の教えだけでなく、文化の影響もあります。
イスラム教では「プライバシー(自分の空間を守ること)」を大切にしています。そのため、大きなイベントなどでは、女性と男性が別々に座ることがあります。
たとえば、結婚式では、広い会場の真ん中にカーテンをかけて、片方を女性用、もう片方を男性用に分けることがあります。つまり同じ会場でも、カーテンで仕切って使うのです。
また、公共の場所でも、女性が安心して過ごせるようにいろいろな工夫があります。パキスタンの電車には、女性だけが乗れる車両(女性専用車)があります。バスなどでは、前のほうに女性が座り、うしろのほうに男性が座ります。
もし女性の席が全部うまっていたら、女性は男性の席に座っても大丈夫です。でも、男性はたとえ女性の席があいていても、そこに座ることは許されません。
パキスタンのイスラム教徒は、毎日5回、お祈りをします。お祈りは、家でも仕事の場所でも、外でも、どこででも行うことができます。
わたしが日本に来てからは、自分の部屋や大学の研究室でお祈りをしています。
金曜日には、モスク(イスラム教のお祈りの場所)が近くにある場合は、多くの人がモスクに行って、特別なお祈りをします。日本のわたしの家の近くのモスクでも、金曜日になると、わたしと似た服を着た人たちをたくさん見ます。
お祈りの時間は、自分の人生について考える時間でもあります。お祈りは、大切なことは何かを思い出させ、よい行いをすること、悪いことからは遠ざかるべきだということを自分に気づかせてくれます。
カラチでは、「ソフトウェア産業」がとても重要な産業のひとつです。カラチにはたくさんのIT会社やソフトウェア会社があり、アメリカやドイツの会社と一緒に仕事をしているところもあります。
わたしがパキスタンに住んでいたとき、わたしもアメリカの会社で働いていました。ソフトウェアの仕事は今とても成長していて、重要性は年々高まってます。
カラチには、ほかにも繊維産業や銀行、海運業などの産業もありますが、ソフトウェア産業は、現在最もエキサイティングな分野の一つです。
しっかり勉強して、将来、日本の発展のためにがんばってほしいです。みなさんは次の世代であり、みなさんのアイデアや努力が、きっと大きな変化をもたらします。
そして、いつかぜひパキスタンにも来てみてください!
新しいおいしい食べ物にチャレンジするのが好きな人には、パキスタンの南部は探検に絶好の場所です。
また、自然や山、森などが好きな人には、パキスタンの北部に見るべき美しい場所がたくさんあります。
パキスタンは、みなさんが来てくれるのを楽しみに待っています!