アクティブ地理 インタビュー特集

関東地方

生産農家と消費者の橋渡し
藤澤啓(ひろし)さん

東京都中央卸売市場卸売会社 (東京シティ青果)

インタビュー

生産者から委託された青果物(野菜や果物)を,卸売市場内の仲卸(なかおろし)業者や小売業者などに販売する(卸す)仕事です。卸売市場は,食品流通の核として重要な役割をになっています。現在,豊洲(とよす)市場の青果部には,仲卸業者が約100軒,小売買参人(ばいさんにん,商品を買い付ける人)が約530軒登録されていて,そのような業者への販売が仕事の中心です。

「せり売り」と「相対(あいたい)売り」があります。せり売りは,買い手が購入希望価格を提示しあい,一番高い値段を付けた人に対して商品を売ります。相対売りは,売り手と買い手の交渉で値段が決まります。

豊洲市場の青果売り場には,フレッシュラボと呼ばれる施設があります。そこで野菜や果物を調理して,試食宣伝をすることができます。仲卸さん,八百屋さん,スーパーのバイヤーさん,レストランのシェフなどのみなさんに試食を提供し,全国の産地の特色ある青果物を紹介しています。また,SNS(Webを利用した双方向の情報発信サービス)も利用し,季節ごとに新しく入荷した野菜や果物を紹介しています。もちろんおすすめの食べ方などもあわせて紹介して,消費の拡大につなげています。

生産者の思いと消費者のニーズをつなげることです。この仕事を通じて,生産者がどんな苦労をし,どんな思いで青果物を出荷しているかを消費者に伝え,理解してもらうこと。また,激しく変化する食のニーズをしっかり産地につなぐことが重要です。