世界史おすすめ50冊

チョコレートの歴史

河出書房新社 / ソフィー・D・コウ/マイケル・D・コウ

通史 アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ 社会・文化

チョコレートの歴史がこの一冊で分かる。チョコレートの原料カカオの歴史を見ながら、マヤ文明・アステカ文明の謎にいどんだ最新の研究である。コロンブスやコルテスらとカカオとの出合い、砂糖入りチョコレートの誕生過程、産業革命とチョコレート、現代史との関わりなど興味深い話題が多い。

カカオの正式名称「テオブロマ・カカオ」は、1753年に植物学者リンネによって名づけられた。ギリシア語で「神々の食物」という意味である。

カカオの原産地はガーナやコートジボワールではなく、アメリカ大陸のアマゾン川流域である。初めて栽培に成功したのは、現在のメキシコのユカタン半島あたりの低地で、マヤ族やその前のオルメカ人によってであった。カカオの木はマヤの人々によって神聖視され、その色が血をイメージすることから信仰が生まれた。

チョコレートの全歴史を初めてカバーした本格的な専門書である。

☆類書『洋菓子の世界史』吉田菊次郎製菓実験社1986年