世界史おすすめ50冊

『鉄道ゲージが変えた現代史』−列車は国家権力を乗せて走る−

中公新書 / 井上勇一

本書は、19世紀末から第二次世界大戦にいたるアジア現代史を、鉄道ゲージを通して検証したものである。19世紀末、極東での国際情勢は他の地域と同じく、鉄道建設が軍事バランスのカギを握っていたが、単に日本とロシアの二極対立だけではなく、アメリカやフランス、イギリスがどう関わっていたかも射程に置いている。日本の民衆がその内容に失望したポーツマス条約の裏面にも触れている。