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『動物裁判』−西欧中世・正義のコスモス−

講談社現代新書 / 池上俊一

西欧中世においてしばしば動物裁判なるものが行われていた。動物の裁判や処刑は決して例外的で孤立した出来事ではなく、むしろ常態として13世紀から数世紀の間ヨーロッパ各地で活発に行われていた。本書は動物裁判をただ奇怪な現象として記述するにとどまらず、これが展開された時代の文化と社会全体の趨勢、とりわけ、自然と文化、自然と人間の関係を掘り下げて、その意味を分析している。