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『チーズのきた道』−世界のチーズと乳文化探訪−

河出書房新社 / 鴇田文三郎

ヤハウェーやアラー、バラモンの神の地域で乳文化は受け入れられたが、イザナギ、イザナミの地域では西暦1500年頃になっても乳文化は定着しなかった。ギリシアやエジプト、バビロンにも一部乳文化の定着しないところがあった。いずれも作物農業神のいる地域で「乳の流れる文化」の重要性が認められなかった点が注目される。本書は、食文化のなかの乳文化、とくにチーズ文化の歴史を、古今東西の記録のなかに追い求め、人間の生活文化とチーズとの関係を探求している。