歴史のQ&A

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弥生時代はどのような稲作をしていたの? 今とどのようにちがうの?

質問

弥生時代に田植えはしていたのでしょうか?
稲の育ち方や実り方はどうだったのでしょうか?
現在の稲や田の状態と,どこがちがっていたのでしょうか?

解答

現在の稲は,丈がおよそ60cmほどですが,弥生時代の稲は,はるかに長く,150cmほどもありました。 実る時期には,重みでたおれてしまうものも多く,見た目はもう少し低くなります。実(み)は,現代の稲穂ほどはつかなかったようです。

現代の稲作では,3.3m2に70株ほどを植えます。 弥生時代の田植えのあとが残っている岡山県の百間川(ひゃっけんがわ)遺跡では,3.3m2に400株も植えられていたことがわかっています。かなり密度の高い植え方ですね。

現代の田を見ると,きれいに稲の高さがそろい,実り方もそろっています。同じ品種をいっせいに植え,肥料も均質にまいているからです。

弥生時代の稲は,稲といってもいろいろな品種が混じったままだったので,丈もまちまち,実る時期もまちまち,実の付き方もまちまち,赤いのも黒いのも紫のも黄色いものも混じっていたようです。収獲の方法は「穂首刈り(ほくびがり)」といって,穂の部分のみを切り取りました。 実ったものを選んで刈り取るということですね。

最近の発掘調査で,弥生時代の早い時期から,種もみを水田に直接にばらまく「直播き(じかまき)」よりも,「田植え」を行っていたことがわかってきました。

「稲作が伝わる」ということは,米だけが伝わるのではなくて,栽培・水田のつくり方・水利・収獲・保存・調理という,稲作の過程全体が,技術や文化として伝わったということです。

稲作を伝えた人たちや,受け入れた人た ちは,どのような人だったのでしょう。

高度な文化だね。