エンタルピー変化
[えんたるぴーへんか]enthalpy change
生成物がもつエンタルピーと反応物がもつエンタルピーの差(系のエンタルピーの変化)。$\Delta H$で表す。一定圧力のもとで,系が熱を放出(発熱反応)すれば,系のエンタルピーは減少($\Delta H < 0$)し,系が熱を吸収(吸熱反応)すれば,系のエンタルピーは増加($\Delta H > 0$)する。
圧力$P$のもとで,エンタルピー変化$\Delta H$は,内部エネルギーの変化を$\Delta U$,体積の変化を$\Delta V$とすると,次の式で表すことができる。 $$ \Delta H = \Delta U + P\Delta V $$ ここで,系に出入りする熱を$q$,系がされる仕事を$w$とすると, $$ w=-P\Delta V,\quad \Delta U=q+w $$ から, $$ q = \Delta U + P\Delta V = \Delta H $$ となる。したがって,一定の圧力のもとで,エンタルピー変化は系に出入りする熱に等しくなることがわかる。
【化学図表】p.122
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